鏑木清方《十一月の雨》
1955(昭和30)年 紙本彩色・軸装 54.6×81.6cm
©Akio Nemoto 2020 / JAA2000128

初冬の雨に濡れる下町の情景が表情豊かに描かれています。傘を差した女性は、荷車の花の鮮やかさに目を留めたのか、振り返って微笑んでいるようです。荷車の向こうでは焼芋屋が忙しそうに支度をして、あたりには甘い香りが立ちこめています。その隣家には絵草紙の下、男性が書物を読み耽っています。画面にはこうした人々の暮らしとともに、雨に潤んだ空気感が捉えられ、画家の愛した下町の情景が浮かび上がってきます。