2016年7月22日(金)~11月27日(日) *会期中無休

ゴッホは10年という短い画業のはじまりに、敬愛するミレーの版画を模写しました。そこには、生命へのまなざしというゴッホ芸術全体に通じる本質が垣間見えます。そのほか、シニャック、セザンヌ、安井曽太郎、須田国太郎らの青年時代や転換点の絵画から、その芸術の本質に迫ります。

展覧会関連イベント

展示解説(ギャラリートーク)

展示されている作品について、学芸員が解説します。

日 時 2016年8月20日(土)、9月17日(土)、10月15日(土)、11月19日(土)
各日とも11:00、14:00より(所要約30分)
場 所当館展示室(第1展示室にお集まりください)
申 込不要 ※要入館券

 

第19回講演会「ゴッホ若き日のデッサン≪鎌で刈る人≫、そして晩年の絵画へ」

■講師:シュラール・ファン・ヒューフテン氏 Sjraar Van Heugten
(美術史家、元ファン・ゴッホ美術館コレクション部長)
■日時:2016年10月10日(月・祝) 13:30~15:00
■会場:下田市民文化会館 大ホール

オランダより画家ゴッホの世界的研究者であるシュラール・ファン・ヒューフテンさんをお招きして、講演会を開催しました。
ヒューフテンさんは、当館が収蔵するゴッホ≪鎌で刈る人(ミレーによる)≫を「再発見」し、2015年にヨーロッパでの展示を実現してくださいました。そうしたご縁から今回、下田で講演を行っていただくことになりました。
ゴッホは27歳のときに画家を志しますが、はじめに取り組んだのは敬愛するミレーを模写することでした。当館のデッサンは初期の鉛筆によるミレーの模写の中で唯一残っているものです。
牧師を目指したゴッホにとって、「鎌で刈る人」というテーマは死を暗示する宗教的な意味があったといいます。ゴッホは10年という短い画業の中で度々、このテーマを描きました。ゴッホは風景画の中にさえ「鎌で刈る人」を描き込んでいます。こうした「麦の収穫」や「刈る人」というテーマには、生命のサイクルに向き合うゴッホのまなざしを見出すことができます。そして、画業のはじまりに描かれたデッサン≪鎌で刈る人≫には、ゴッホ芸術の本質を垣間見ることができます。
ヒューフテンさんは初めて下田でゴッホの初期デッサンを見たときのエピソードや、ヨーロッパで当館の作品を展示したときの写真などを交えながら、ゴッホ芸術の本質についてお話くださいました。

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