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【仏教館】特別展 仏像でみる伊豆の平安時代
【近代館】ものがたりをよむ 

【仏教館】特別展 仏像でみる伊豆の平安時代
【近代館】ものがたりをよむ 

【仏教館】特別展 仏像でみる伊豆の平安時代
【近代館】ものがたりをよむ

開催期間: 2024年10月5日(土)~2025年1月13日(月・祝)
開館時間: 9:30~16:30(入館は16:00まで)
休館日 : 展覧会会期中は無休
入館料 : 大人1,000円/学生500円/高校生以下無料
※仏教館・近代館の共通券です
※団体10名以上10%割引
※障がい者手帳をお持ちの方は半額
会場  : 上原美術館 近代館・仏教館

【仏教館】特別展 仏像でみる伊豆の平安時代

最近、紫式部や清少納言が生きた、平安時代(10世紀後半~11世紀前半)に注目が集まっています。紫式部の『源氏物語』、清少納言の『枕草子』は有名ですが、この時代に朝廷で権勢をふるった藤原道長も日記『御堂関白記』を残しており、当時の貴族たちの生活や考え方を知ることができます。その一方で、同じ時代の地方については文献資料がほとんど残っておらず、上原美術館がある伊豆についても、その歴史や人々の営みはあまり明らかになっていません。しかし、伊豆には、平安時代の人々の心のよりどころとなった仏像が意外に多く伝えられています。本展は、文献ではうかがうことが難しい、伊豆の平安時代を、仏像を通じて考え、感じてみようと試みる展示会です。
観音寺の薬師如来像、向陽寺の阿弥陀如来像、善光庵の十一面観音像、法雲寺の如意輪観音像、金龍院の不動明王像は、10世紀から11世紀前半の像と考えられており、紫式部や藤原道長が生きた時代に造像された仏像。その後、千年近い年月、信仰されてきた貴重な仏像です。通常非公開の仏像、数十年に一度開帳される仏像も展示いたします。この機会に是非ご覧ください。

展覧会紹介動画

動画配置予定

主な展示作品


【近代館】ものがたりをよむ 

古くから人々に親しまれてきた「ものがたり」は、歴史や文化を越えて自由に想像の世界を楽しむことができます。そして、そこに広がる豊かな世界に心ひかれた画家たちによって、多くの魅力的な絵画が生み出されてきました。

日本画家の小林古径は歴史や文学への造詣が深く、物語や謡曲をはじめ、仏教などを題材とした絵画をたびたび描いています。なかでも平安時代の歌物語『伊勢物語』は古径お気に入りの主題でした。『伊勢物語』は全125段からなり、それぞれ異なる話が和歌とともにつづられています。

第23段「筒井筒」では、幼馴染の男女のエピソードが書かれています。お互い成長し、恥ずかしさから会わずにいた二人ですが、男が、

筒井つの 井筒にかけし まろがたけ
過ぎにけらしな 妹見ざるまに
(井戸の囲いで測り比べた私の背丈も、囲いの高さを過ぎてしまったようですね。あなたを見ないでいるうちに)

と女に歌を贈ります。女はそれに対し、

くらべこし 振分髪も 肩すぎぬ
君ならずして たれかあぐべき
(比べ合ってきた私の振り分け髪も肩を越えてしまいました。あなたでなくて誰のために髪あげしましょうか)

と返し、歌をやり取りすることで、心を通わせます。この第23段に由来する古径の《井筒》(表面作品)では、幼い二人の子どもたちが井戸の周りで遊ぶ場面が描かれています。余白を十分とった簡潔な画面からは、背丈や髪の長さを比べあったこども時代のさわやかな情景が目に浮かぶようです。

本展では、ワーグナーの楽劇『ニーベルングの指輪』に登場する女性戦士が遠い眼差しを湛えるルドン《ブリュンヒルデ、神々のたそがれ》、旧約聖書『創世記』より、最初の人類である男女が禁断の果実を受け取る場面を捉えたデューラー《アダムとエヴァ》、新約聖書においてベタニヤのマルタ・マリア姉妹との出来事を描いたルオー《キリストとの親しき集い、ベタニヤ》など、さまざまな「ものがたり」を主題とした絵画を紹介します。これらの作品に寄り添って、耳をかたむけてみてください。描かれた作品が、あなただけにそっと語りかけてくれるはずです。画家たちが生み出した多様な「ものがたり」の世界をどうぞお楽しみください。

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