笈(おい)

動画による作品解説

笈(おい)
室町時代(15世紀後半) 木造
普門院(河津町逆川)静岡県指定文化財

笈は旅する僧が背負う運搬具で、現在のリュックサックにあたります。箱型で、背に接する側の下端左右に2本の脚、背面下部中央に雲形の脚を作って床にすえています。内部は3段に分かれ、背に接する側に各3段、左右2枚の板を取り付けて扉とし、上段中段には1枚、下段に1枚、計2枚の帖木をはめて閉じます。簡素かつ実用的なもので、普門院を開いた禅僧、模庵宗範が用いたものと考えられます。破損することの多い笈の古作例として、貴重な文化財です。

小野憲一 《Innerline》

小野憲一
Innerline
2015年 アクリル・カンヴァス 100.0×100.0cm 個人蔵

Innerlineは現代作家・小野憲一によるアクリル絵画。線が空間そのものに変化する不思議な絵画空間は、胎児が胎内で感じ取る風景のよう。その曖昧さは瞼を閉じたときの陰翳の奥に浮かび上がる、内なる光のようにも感じられます。

 

上原美術館