二天像

・年代:平安時代 11~12世紀
・法量:阿形135.3cm/吽形136.2cm
*新収蔵

 

甲冑に身を固め、邪鬼を踏んで立つ二体一対の天部像。二天像は四天王の内の二尊を選び、造像するもので、寺院の中門や本尊の左右に立ち、仏や寺院、仏教徒を魔や災厄から守る守護神です。二天像は左右対称の姿が基本で、本像も腕や足の上下、腰の捻り、一方を開口、他方を固く口を結ぶ阿吽の姿としてこの例に従っていますが、甲冑細部は変えて変化を持たせています。太くがっしりとした体躯はたくましく、細身で颯爽とした鎌倉の天部像とは対照的な「強さ」の表現を見ることができます。