16岸田劉生-麗子微笑像-1921m

岸田劉生
麗子微笑像
1921(大正10)年 水彩・紙 41.8×34.0cm

赤と黄色が鮮やかな絞りの着物を着た劉生の娘・麗子が描かれています。頭には中国のかんざしをつけて、神秘的な笑みを湛えるようすには、どこか不思議な異国情緒が感じられます。

劉生は日記に「今日は麗子が早びけで早く帰つたので、(中略)、その上又麗子の例のメリンスの赤と黄のシボリの美しいきものを着せて頭に先日の支那のかんざしをつけて、笑つてゐる半身像をはじめて、筆をおく」(1921年9月30日)と記しています。メリンスとはメリノ羊の毛で作った布で、細かな染付ができる数少ない毛織物として重宝されていました。劉生はこの着物を着た麗子をしばしば描きましたが、本作では絞り染め特有の布にできる凹凸を水彩画で表現するため、色の濃淡に注意を払っているようすがうかがえます。

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http://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/201908_kishida.html