・年代:平安時代 12世紀
・法量:52.8cm

手に薬壺を持ち、人々を病から救う薬師如来の坐像。構造は、頭体を桧の一材でつくり、前後に割って内部を刳り抜く一木割矧造で、組んだ脚部と両手首先を別につくって寄せていますが、両手首先は江戸時代に補ったものです。
体は華奢、衣文は浅く流麗で、おだやかな顔とあわせ、繊細優美な姿ですが、この姿は平安中期の大仏師・定朝の影響を強く受けたもの。定朝が生んだ和様の仏像は平安貴族から「仏の本様」と讃えられ、多くの仏師に写されて一世を風靡しましたが、本像もその一例です。