山本正道
風と少女―Versilia
2000(平成12)年 マルモ・ギブリ H95.0×W210.0×D65.0cm
大理石の一種であるマルモ・ギブリが伊豆の風土に馴染んで、山々に溶け込むように少女が佇んでいます。その柔らかなフォルムは、伊豆の山々を優しく吹き抜ける風をも連想させるようです。この彫刻作品は、上原近代美術館の開館した2000年に中庭に設置され、来館者に親しまれてきました。
1941(昭和16)年、京都に生まれた山本正道は、東京藝術大学彫刻科を卒業、同大学院を修了後は第5回平櫛田中賞や第31回中原悌二郎賞を受賞しました。1968(昭和43)年にイタリアへ渡り、ローマ美術学校のファッツィーニ教室に学びます。1978(昭和53)年には渡米し、アメリカ南西部に広がるプエブロ・インディアンの遺跡などを訪ねました。山本独自の柔らかなフォルムと素材の魅力は、そうした豊かな体験から生まれたかのようです。