【仏教館】下田の古刹―太梅寺(たいばいじ)の寺宝

下田の古刹―太梅寺(たいばいじ)の寺宝

2018年12月15日(土)~2019年3月31日(日)

会場:仏教館

太梅寺は下田の山間に建つ歴史の古い寺院。平安時代に草庵が結ばれ、のちに曹洞宗の寺院として発展してきたと伝えられます。太梅寺には、戦国時代頃に書かれた伊豆最古の禅語録『寂用禅師語録』や、下田の地が戦国時代に戦場だったことを物語る「安国寺恵瓊奉制札」など、下田の歴史を知る上でも貴重な資料が遺されています。本展では、古文書のほか、南北朝時代に造られた地蔵菩薩坐像や、幕末に描かれた涅槃図などから、下田の歴史の一端を解き明かしていきます。

「下田の古刹―太梅寺(たいばいじ)の寺宝」紹介動画

【近代館】春をおもう―東洋と西洋、それぞれの春―

春をおもう―東洋と西洋、それぞれの春―

2018年12月15日(土)~2019年3月31日(日)

会場:近代館

冷たい冬のさなか、慎ましやかに梅や椿が花開くと、雪に覆われた静寂な世界から、しだいに色彩が広がり、活気あふれる豊かな季節へと変化していきます。春へと季節が移りゆくさまを、画家たちは細やかにみつめ、多くの絵画に描いてきました。春のひとときが切り抜かれた情景には、画家たちそれぞれが抱く春へのおもいを感じることができます。
本展では上原コレクションより、横山大観、小林古径ら日本画家を中心に、印象派の画家たちや岡鹿之助らが描いた春の気配を感じる作品をご紹介します。東洋と西洋の絵画に隠された春の予感をお楽しみいただければ幸いです。

「春をおもう―東洋と西洋、それぞれの春―」紹介動画

新しい展覧会『風のささやき、水のゆらめき』(近代館)、『すがた うるわし』(仏教館)が始まりました

5月26日(土)より、近代館にて『風のささやき、水のゆらめき―絵に描かれた美しき風景―』、仏教館にて『すがた うるわし―仏像と近代絵画の出あい―』を開催しております。仏教館では新収蔵の薬師如来坐像(平安時代後期)も初公開しております。ぜひご覧ください。

展示替休館のお知らせ:5/21~5/25

上原美術館は2018年5月21日(月)より5月25日(金)まで、展示替えのため休館いたします。ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解のほど宜しくお願い申し上げます。

2018年5月26日より、近代館では『風のささやき、水のゆらめき―画家たちが見た美しき風景―』、仏教館では『すがた うるわし―仏像と近代絵画の出あい―』を開催いたします。

オディロン・ルドン 《ブリュンヒルデ、神々のたそがれ》

オディロン・ルドン-ブリュンヒルデ-神々のたそがれ

 

オディロン・ルドン
ブリュンヒルデ、神々のたそがれ
1894年 油彩・カンヴァス 54.5×65.5cm

Odilon Redon
Brünnhilde, Twilight of the Gods (Brünnhilde, Crépuscule des Dieux)
1894, Oil on canvas, 54.5 × 65.5 cm

ルドンは当時、ヨーロッパで熱狂的に受け入れられていた作曲家リヒャルト・ワグナーに多大な関心を寄せていました。ブリュンヒルデは、ワグナー楽劇『ニーベルングの指環』に登場する神々の娘の一人です。その楽劇の最終章「神々のたそがれ」は、神性を失ったブリュンヒルデが夫ジークフリートと辿る悲劇的な運命を中心に展開します。ブリュンヒルデの遠い眼差しは、旅に出た夫ジークフリートを想う姿でしょうか、かつて神々の戦乙女であった勇ましさはそこになく、ただ優美さが漂っています。
本作が制作された1894年は、ルドンにとって転換点でした。友人のエドモン・ピカールに宛てた同年の手紙でルドンは、「時間がその価値を二倍にするあの時、つまり、芸術家が己をしり、もはや道に迷いようのないあの瞬間がやって来つつあるのです」と述べています。“黒”による表現の深遠さを追求していたルドンはこの頃、次第に色彩の世界へと展開していきます。本作では、以前のリトグラフに見られる重く厳粛な“黒”はなく紙の白さが一つの色彩であるかのような輝きを湛えています。

Redon was deeply interested in the composer Richard Wagner, who was being enthusiastically embraced across Europe at the time. Brünnhilde is one of the daughters of the gods who appears in Wagner’s music drama Der Ring des Nibelungen. The final chapter of this drama, Götterdämmerung (Twilight of the Gods), centers on the tragic fate of Brünnhilde, who has lost her divinity, and her husband Siegfried. Brünnhilde’s distant gaze may reflect her thoughts of Siegfried, who has gone on a journey. The valiant spirit she once possessed as a Valkyrie of the gods is no longer present; instead, a graceful elegance pervades her expression.

The year 1894, when this work was created, marked a turning point for Redon. In a letter to his friend Edmond Picard that same year, Redon wrote, “The time is coming—that moment when time doubles its value—when the artist comes to know himself and can no longer lose his way.” While he had previously pursued the profundity of expression through “black,” Redon was gradually transitioning into the world of color around this time. In this work, the heavy solemnity of black seen in his earlier lithographs is absent, and the whiteness of the paper shines as if it were a color in itself.

5/19に「ねんど開放日」、5/20に「えのぐ開放日」を開催します

上原美術館と静岡県立美術館の共同イベントとして、5/19に「ねんど開放日」、5/20に「えのぐ開放日」を道の駅「開国下田みなと」にて開催します。このイベントは、下田市の黒船祭の協賛イベントです。イベント開催日には道の駅「開国下田みなと」―伊豆急下田駅―上原美術館をつなぐ無料周遊バスも運行します。

上原美術館