講演会「ゴッホ若き日のデッサン《鎌で刈る人》、そして晩年の絵画へ」のお知らせ

2016年10月10日(月・祝)に、開催中の展覧会「はじまりの絵画―画家の新たなものがたり」に関連し、世界的なゴッホ研究者として知られるシュラール・ファン・ヒューフテン氏をお招きしての講演会を開催します。

ゴッホは画業のはじまりになぜミレーを模写したのか、晩年に再び模写した意味とは何だったのか、ゴッホ芸術の秘密とその魅力についてお話いただきます。

入場は無料です。お申し込み方法は、PDFをご参照ください ※終了しました

チラシ(PDFファイル)

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当館ウェブサイトをリニューアルしました

上原近代美術館ではウェブサイトを全面的に見直し、アクセス、コレクションなどのコンテンツを快適に閲覧いただけるようページのデザイン、構成を設計した新しいサイトを本日リリースいたしました。

当館では、これからも使いやすく見やすいウェブサイトを目指してまいります。引き続きよろしくお願い申し上げます。

展覧会「はじまりの絵画―画家の新たなものがたり―」を開催中です

7月22日(金)〜11月27日(日)の期間中、展覧会「はじまりの絵画―画家の新たなものがたり」を開催中です。

画業のはじまりに敬愛するミレーの版画を模写したゴッホのほか、シニャック、セザンヌ、安井曽太郎、須田国太郎らの青年時代や転換点の絵画から、彼らの芸術の本質に迫ります。

展示情報詳細

こども向け 夏のワークショップ 2016

日本画を描いてみよう~水墨画編~

講師 牧野伸英 先生(日本画家、当館日本画教室講師)
講師の牧野先生と一緒に墨と水を使って、水墨画を描いてみませんか?
夏休みを使って、ぜひ日本画にチャレンジしてみてください!

日 時 7月23日(土)
13:00~(所要2時間程度)
場 所上原近代美術館 会議室
対 象小学生 
定 員20名
持 物飲みもの(熱中症予防のためご持参ください)、ぞうきん
その他 墨で汚れてもよい服装でお越しください
※参加無料(画材は当館より貸出します)

鉛筆デッサン入門講座!

講師 小野憲一 先生(現代美術作家、当館デッサン・水彩画教室講師)
講師の小野先生より鉛筆デッサンの基礎から丁寧にお教えします。
未経験の方から美術学校への進学希望者までお気軽にご参加ください。

日 時 ① 8月12日(金)、13日(土) 2日間コース
② 8月15日(月)~17日(水) 3日間コース
いずれも13:00-16:00
※①、②ともに内容は同じです。両方の受講も可能です。
場 所上原近代美術館 会議室
対 象小学校5年生~高校生
定 員各10名
持 物飲みもの(熱中症予防のためご持参ください)、カッター
その他 ※参加無料(画材は当館より貸出します)

申込方法

美術館受付、お電話にて申込できます
①ご希望のイベント名、②お名前、③年齢・学年、④ご住所、⑤電話番号、⑥参加人数をお伝えください。
*応募は定員になり次第締め切らせていただきます。
Tel. 0558-28-1228

大日如来坐像

大日如来坐像

大日如来坐像

・作者:行順
・年代:鎌倉時代(文永七年・1270年)
・法量:像高 30.9cm

法界定印(坐禅の印)を結ぶ胎蔵界大日如来の坐像。大日如来には胎蔵界大日如来と、忍者のような智拳印を結ぶ金剛界大日如来の二種がありますが、うち胎蔵界像は比較的遺例が少なく、貴重な作例です。

本像の構造は、頭体幹部(頭と体の主要部分)をヒノキの一材で彫出し、耳の後ろを通る線で前後に割り、内部を刳り抜く一木割矧造で、瞳には水晶製の玉眼を嵌入しています。本像は像内墨書から、文永七年(1270)、静快を大願主として、佛師行順が制作した仏像であることが分かります。鎌倉時代に遡る仏像で、制作年代と作者、制作事情が判明する仏像は稀で、このような仏像は墨書を持たない多くの仏像の年代を考える上での参考となるため、基準作と呼ばれます。本像は小像ですが、13世紀後半の仏像を研究する際の基準作として、学術的に貴重な仏像です。

観世音菩薩立像(興福寺千体観音)

観世音菩薩立像(興福寺千体観音)

観世音菩薩立像(興福寺千体観音)

・年代:平安時代後期(12世紀)
・法量:像高36.1cm

 

ヒノキと思われる針葉樹で造られた一木造の観音像。本像は興福寺千体観音の一体と伝えられています。興福寺にはかつて千体観音が伝来していましたが、安置するお堂が老朽化し、ほぼ全ての像は著しく破損、風呂の薪として燃やされたものもあったといいます。本像もかつては破損した姿だったようで、は両腕、両足先・膝前に二重に渡る天衣(ストール)などが後世補ったものです。千体もの観音像を制作した事情は明らかになっていませんが、興福寺は藤原氏の氏寺であるため、平安時代に隆盛を誇った藤原氏の各家がそれぞれ、その力に応じて様々な仏師に制作を依頼、一族の繁栄を祈願して奉納したものという説があります。

菩薩立像

菩薩立像

菩薩立像

・年代:中国・宋時代(13世紀か)
・法量:総高103.1cm

頭頂の髻から台座までを一材で造り、部分的に塑土を盛り上げて成型、彩色を施した菩薩立像。腰を大きく右に捻った弓形の体や、持った供物を支える盆を右方に差し出す姿から、もとは中尊の左右に配した脇侍菩薩像の一体で、本尊に対して供物を捧げる姿であったと思われます。

大づかみな造形は中国の石窟寺院に見られる石像に近く、台座を含む像全体を一木で彫出し、塑土を用いて細部を仕上げる手法、面貌や動きのある体勢は中国で宋時代に制作された仏像の特徴を示しています。体に比して頭部や手が過大な姿や、写実を離れて形式化した造形から、南宋(1127~1279)の時代に制作された像の可能性が高いでしょう。

阿弥陀如来立像

阿弥陀如来立像

・年代:鎌倉時代(13世紀)
・法量:像高99.8cm

西方の極楽浄土に住み、信仰する者を死後、浄土に迎えとるとされた阿弥陀如来の立像。頭体幹部(頭部と体の主要部分)を一材でつくった上、前後に割って内刳を行う一木割矧造の像で、瞳には水晶製の玉眼をはめ込んでいます。螺髪を後頭部でV字形に配し、像底を上げ底式に刳り残す点などは慶派仏師の特徴で、着衣の形式や流麗な衣文線、秀麗な面貌などから、快慶に学んだ仏師の作品と考えられます。なお、通常立像は、両足裏に足枘を作り、台座上面の穴に差し込むのが普通ですが、本像は蓮台上に2本の棒を立て、これを踵の後方に開けた2つの穴に差し込んで立てており、足裏に漆下地を見ることができます。こうした特殊な特徴から本像は、足裏に千幅輪相(如来の足裏にある車輪型の文様)をあらわす像であった可能性があります。鎌倉時代、仏像の姿をなるだけ経典に忠実に再現することで、生身の仏を再現しようとする動きがありますが、本像はこのような生身仏のうち早い時期の作例の可能性が高く、学術的に貴重な仏像です。

上原美術館