薬師如来像

・年代:平安時代 12世紀
・法量:52.8cm

手に薬壺を持ち、人々を病から救う薬師如来の坐像。構造は、頭体を桧の一材でつくり、前後に割って内部を刳り抜く一木割矧造で、組んだ脚部と両手首先を別につくって寄せていますが、両手首先は江戸時代に補ったものです。
体は華奢、衣文は浅く流麗で、おだやかな顔とあわせ、繊細優美な姿ですが、この姿は平安中期の大仏師・定朝の影響を強く受けたもの。定朝が生んだ和様の仏像は平安貴族から「仏の本様」と讃えられ、多くの仏師に写されて一世を風靡しましたが、本像もその一例です。

観世音菩薩像(興福寺千体観音)

・年代:平安時代 12世紀
・法量:36.1cm

興福寺千体観音の一体と伝えられる像。その名の通り千体からなる群像でしたが、800年以上の時が流れるなかで朽ちて破損、加えて明治時代の廃仏毀釈の際に風呂の薪として燃やされるなど、多くが失われました。本像も両腕や膝前に二重にかかる天衣、台座は古いものが失われて修理で補っており、当初は右手に持つ蓮の蕾に左手を添え、その花弁を開く姿だったようです。おだやかな顔、薄く華奢な体、衣文が略される点などに平安後期の特徴がみられ、素朴な表情が愛らしい観音像です。

6月1日開館のお知らせ

【 開館のお知らせとお客様へのお願い 】

上原美術館では緊急事態宣言を受け、4月8日より臨時休館しておりましたが、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策が整い、また静岡県の緊急事態宣言が解除されたことから、6月1日より開館いたします。
再開におきましては、ご来館の皆様に以下の感染防止対策にご協力いただきたく、ご理解ご協力のほど宜しくお願い申し上げます。

<ご来館されるお客様へ>
― 受付場所・開館時間の変更について(暫定措置)
・受付場所を「仏教館」から「近代館」に変更いたします。
・開館時間は9:30~16:30(最終入館16:00)に変更いたします(消毒・清掃のため)。
― ご入館時のお願い
・マスクの着用をお願いいたします。
・手指消毒の徹底をお願いいたします。
・「検温」及び「体調確認書」記入にご協力をお願いいたします。
 *体調不良の方には、入館をご遠慮いただく場合がございますのでご了承願います。
・「3密」を避けるため、やむを得ず入館制限する場合がございます。
― 館内対応について
・ギャラリートークは当面の間、休止といたします。
・ラウンジでの飲料サービスは当面の間、休止といたします。
― 当館での取組について
・常に情報収集に努め、感染の予防、防止に細心の注意を払います。
・スタッフは毎日検温し、マスク着用にて応接いたします。
・感染症拡大防止対策として、受付への飛沫防止アクリル板を設置し、手指消毒液の設置、マスクの準備、定期館内清掃を強化いたします。

最新の情報は上原美術館ホームページやtwitter、facebookで発信しておりますので、ご来館の際は事前にご確認いただけますと幸いです。新型コロナウイルス感染症の感染 予防・拡散防止のため、ご理解・ご協力の程、何卒よろしくお願い申し上げます。

公益財団法人 上原美術館

アルブレヒト・デューラー≪書斎の聖ヒエロニムス≫

アルブレヒト・デューラー  Albrecht Dürer
《書斎の聖ヒエロニムス》 Heiliger Hieronymus im Gehäuse
1514年 エングレーヴィング・紙 24.9×19.2 cm
*2019年度 新収蔵

この作品はアルブレヒト・デューラーが制作した銅版画のなかでも最高傑作と呼ばれる三大銅版画のひとつです。僧房のような空間で、書き物をしている聖ヒエロニムスが描かれています。彼は聖書をラテン語へと翻訳したウルガタ訳聖書の翻訳者として、しばしば書斎で書き物をする姿で描かれました。
聖人の手前には、ライオンが寝そべっています。中世の聖人伝説を集めた『黄金伝説』によると、聖ヒエロニムスは、ライオンの足に刺さった棘を抜いて助けたことが記されています。このエピソードから、しばしばライオンはこの聖人の忠実な友として美術作品に登場します。
本作でデューラーの銅版画技術は最高度に達しました。まず遠近法による空間は、この小さな画面の中にかなり奥深い空間を生み出すことに成功しており、線を並べたハッチングに加えて、線を交差させるクロスハッチングによって、幅広い明暗と対象の質感を生み出しました。窓から部屋へと差し込む光は、輪郭線ではなく、途切れ途切れの線を並べて表現され、ガラスを通した柔らかな効果を巧みに表しています。

アルブレヒト・デューラー≪アダムとエヴァ≫

アルブレヒト・デューラー Albrecht Dürer
アダムとエヴァ Adam und Eva
1504年 エングレーヴィング、紙 24.8×19.0 cm

この作品はデューラーによる『旧約聖書』を主題とした銅版画です。アダムとエヴァは「創世記」に登場する最初の人類で、彼らは神に創造され、恥じらいや悲しみを知らず、裸のまま楽園に住んでいました。ある時二人は蛇にそそのかされて、神に禁じられていた「知恵の実」を食べてしまい、楽園から追放されます。本作ではエヴァが蛇から「知恵の実」を受け取り、アダムへと手渡そうとする場面が緊張感をもって描かれています。
背景にいるシカやネコなど多くの動物たちは、それぞれこの場面にかかわるシンボリックな意味をもたされています。デューラーや仲間の人文主義者たちは、こうした一見難解な図像に込められた意味を読み解いたことでしょう。
デューラーは、イタリアへの旅行以来、「理想的な人体のプロポーション」を求めて研究を重ねてきました。この銅版画でも著名な古代彫刻をもとに準備を重ね、構図を練りました。ここでは聖書の物語とともに、古代彫刻から学んだ「理想的な人体像」の実現が目指されています。

【仏教館・近代館】上原コレクション名品選3

上原コレクション名品選3 仏教館 ~新収蔵・二天像と上原美術館のみほとけ~

仏教館 ~新収蔵・二天像と上原美術館のみほとけ~
近代館 美しき大地―新収蔵・梅原龍三郎≪朝暉≫を中心に―

上原美術館コレクションの中から新収蔵となったものを中心にご紹介します。仏教館では平安時代に造られた二天像を初公開。仏法を守護するみほとけの静かで力強い表現がみどころです。近代館は雄大な美しい桜島を描いた梅原龍三郎≪朝暉≫を中心に、画家たちが描く大地をご紹介します。

上原コレクション名品選3

【仏教館】 ~新収蔵・二天像と上原美術館のみほとけ~
【近代館】 美しき大地―新収蔵・梅原龍三郎≪朝暉≫を中心に―

開催期間: 2020年4月25日(土)~9月27日(日)
開館時間: 9:30~16:30(入館は16:00まで)
休館日 : 展覧会会期中は無休
入館料 ; 大人1,000円/学生500円/高校生以下無料 団体10名以上10%割引
障がい者手帳をお持ちの方は半額
教育活動を目的として高校生以下は無料となります
会場  : 上原美術館 近代館・仏教館

~新収蔵・二天像と上原美術館のみほとけ~

美しき大地―新収蔵・梅原龍三郎≪朝暉≫を中心に―

臨時休館延長のお知らせ(4/8~5/31)

上原美術館は新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため4月8日(水)より臨時休館しておりますが、緊急事態宣言の発令と現在の状況を鑑み、5月31日(日)まで休館を延長いたします。
再開は6月1日(月)を予定しておりますが、状況によって変更となる場合がございます。
開館の予定につきましては、当ホームページやtwitter、facebookなどでご案内いたします。
ご来館予定の皆様にはご迷惑をおかけいたしますが、ご理解ご協力のほど宜しくお願い申し上げます。

公益財団法人 上原美術館

臨時休館のお知らせ(4/8~5/6)

【臨時休館のお知らせ】

上原美術館は新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、4月8日(水)より5月6日(水)臨時休館いたします。
再開は5月7日(木)を予定しておりますが、状況によって変更となる場合がございます。
開館の予定につきましては、当ホームページやtwitter、facebookなどでご案内いたします。
ご来館予定の皆様にはご迷惑をおかけいたしますが、ご理解ご協力のほど宜しくお願い申し上げます。

公益財団法人 上原美術館

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