【仏教館】特別展 仏像でみる伊豆の平安時代

最近、紫式部や清少納言が生きた、平安時代(10世紀後半~11世紀前半)に注目が集まっています。紫式部の『源氏物語』、清少納言の『枕草子』は有名ですが、この時代に朝廷で権勢をふるった藤原道長も日記『御堂関白記』を残しており、当時の貴族たちの生活や考え方を知ることができます。その一方で、同じ時代の地方については文献資料がほとんど残っておらず、上原美術館がある伊豆についても、その歴史や人々の営みはあまり明らかになっていません。しかし、伊豆には、平安時代の人々の心のよりどころとなった仏像が意外に多く伝えられています。本展は、文献ではうかがうことが難しい、伊豆の平安時代を、仏像を通じて考え、感じてみようと試みる展示会です。
観音寺の薬師如来像、向陽寺の阿弥陀如来像、善光庵の十一面観音像、法雲寺の如意輪観音像、金龍院の不動明王像は、10世紀から11世紀前半の像と考えられており、紫式部や藤原道長が生きた時代に造像された仏像。その後、千年近い年月、信仰されてきた貴重な仏像です。通常非公開の仏像、数十年に一度開帳される仏像も展示いたします。この機会に是非ご覧ください。

展覧会紹介動画

上原美術館