ポール・ゴーガン Paul Gauguin
森の中、サン=クルー Dans la forêt, Saint-Cloud
1873年 油彩・カンヴァス(カルトン張り) 24.8×34.5cm
この作品はゴーガンがまだ株の仲買人をしていた頃の作品です。当時、ゴーガンは休日に知人を訪ねて、しばしばパリ近郊サン=クルーで制作しました。森の中で人々がピクニックする風景には、幸福な時間が流れているようです。
1883年、株価の暴落を機にゴーガンは画家の道を歩み始めました。生活に困窮した妻は、実家のコペンハーゲンに戻ります。ゴーガンは一人絵画を探究し、タヒチで最期を遂げました。この作品は、妻メットが生涯、大切にしていました。この穏やかな風景には、ゴーガンとの幸福な思い出に満ちていたのかもしれません。