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安井曽太郎 
秋の城山(下絵)
1955(昭和30)年 色鉛筆・紙(パネル張り)25.3×35.4cm

湯河原の自宅兼アトリエから城山を望む《緑の風景》を描いた同年12月初め、安井は風邪をこじらせ気管支性肺炎を患いました。しかし、自らが会長を務める日本美術家連盟の「年末たすけあい展」に出品するため、体調不良を押して《秋の城山》(1955年、京都国立近代美術館蔵)の制作にあたります。それがたたって数日後の12月14日には帰らぬ人となりました。山々が黄に色づいた《秋の城山(下絵)》(1955年)は、絶筆制作の際に手掛けられたものと考えられます。