古く、日本では春の訪れは東からの風によって運ばれてきました。さまざまな文化が風に乗って各地に拡散するように、仏教美術も遠く異国の地より日本へもたらされました。またインドで生まれた仏教が西方から東へと広まる様子は、仏教東漸という言葉であらわされます。
本展では、日本で花開いた仏教美術を上原コレクションからご紹介します。新収蔵・初公開となる華厳経断簡(二月堂焼経)は紺紙に焼け滲みがある美しい作品です。
古都・奈良に春を呼ぶ修二会。この儀式を行う東大寺二月堂には、奈良時代に書写された紺紙銀字の華厳経が納められていました。江戸時代、寛文7(1667)年に行われた修二会で二月堂が火災で焼失してしまいます。この時に焼け残った経典は、焼け跡の滲みが醸し出す儚くも美しい紙面、銀字のプラチナのような独特の輝きで、後世、二月堂焼経の名で愛でられるようになりました。
そのほか、天平写経の名品である、墨書が美しい薬師寺経(新収蔵・初公開)など古写経を中心に展示いたします。
展覧会紹介動画
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