フィンセント・ファン・ゴッホ Vincent van Gogh
鎌で刈る人(ミレーによる) Moissonneur à la faucille (D'après Millet)
1880年頃 鉛筆・水彩・紙 55.5×30.5cm
本作はゴッホが27歳で画家を目指しはじめた頃の貴重なデッサンです。ゴッホは、はじめ敬愛するミレーの版画「野良仕事」シリーズをたくさん模写しますが、それらのほとんどは後にゴッホ自ら破棄してしまいました。その中で唯一残っていたのがこのデッサンです。もとになった版画は、縦13センチほどの小さなものでした。ゴッホは、それを大きな紙に繊細な筆致で描き出しています。
ゴッホはわずか37歳で亡くなりました。その前年、ゴッホは同じ「鎌で刈る人」をテーマに、鮮やかな色彩、うねるようなタッチで油彩模写を描きました。ゴッホにとって、ミレーの版画は生涯を通じて芸術の源泉だったといえるでしょう。
【ゴッホがみつめた「ミレー」】展に出品中
山梨県立美術館で開催中のミレー館特別企画『ゴッホがみつめた「ミレー」』に出品中です。ぜひご覧いただければ幸いです。
https://www.art-museum.pref.yamanashi.jp/permanent/index.html#area2