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オーギュスト・ルノワール Pierre-Auguste Renoir
アルジャントゥイユの橋 Pont du chemin de fer à  Argenteuil
1873年 油彩・カンヴァス 46.0×63.0cm

鉄橋が架かるセーヌ川の様子が自由なタッチで描かれています。川面は短い平筆のタッチでリズミカルに塗られて、その感覚はセーヌ川を吹き抜ける風を想像させるかのようです。鉄橋の影の灰色は光と影のグラデーションではなく、色の面としてあらわされており、川面に盛り上げられた白い絵具とともに降り注ぐ陽光の瞬きが感じられます。

この時期、ルノワールはしばしばアルジャントゥイユに住むモネを訪ねて、ともに制作をしました。二人は戸外にイーゼルを立てて同じ風景を描き、「筆触分割」によって色彩で画面を構成する新しい絵画を模索しました。こうした作品は翌年に開催される「第1回印象派展」に出品され、大きな反響を呼びました。自由な感覚に満ちたこの風景画は、印象派の誕生を象徴する作品の一つといえるでしょう。