川合玉堂
柿紅葉
1950(昭和25)年 絹本彩色・額装 44.3×58.2cm

秋の深まる山里の風景が描かれています。
小川には小さな橋がかかり、その傍には喧騒を離れた一軒の小屋があります。小屋の近くには、葉を落としつつある桑の木々が並び、緑から赤へと葉の色を変えた柿がたわわに実をつけています。
柿の実を食べに来たのか、シジュウカラが枝にとまり、屋根の上では二羽がさえずるようにしています。
晩年に、奥多摩に暮らした玉堂は、そこに広がる里山の情景を描き続けました。穏やかな秋の一場面には、自然をこよなく愛した玉堂独自のまなざしが感じられます。