少しずつ寒さがやわらぎはじめると、桃色や白、赤、黄色など多種多様な花々が静寂の世界を豊かに彩りはじめます。画家たちは花を通して、うつろいゆく春をやさしく、ときに鋭いまなざしで捉えてきました。
赤々とゆらめく篝火に照らし出される山桜を描いた横山大観《夜桜》。夜空にうっすらと浮かぶ桜に吹き抜ける風は、余寒の冷たさを感じさせます。桜は春を象徴する花の一つで、古くから多くの画家たちに描かれてきました。安井曽太郎《桜と鉢形城址》は、明るくやわらかな桜の色彩がのどやかな季節の到来を知らせます。
小林古径《草花》は、チューリップの花弁を黒で彩ることで、洗練された清らかさを一層際立たせています。さらに、すっと伸びた茎の線描は、澄んだ空気まで運んでくるかのようです。画家たちが描いた春の花は、個性豊かに開花し、私たちの目をたのしませてくれます。
本展では桜をはじめ、チューリップ、梅、椿、スミレなど春に花咲く絵画をご紹介します。上原コレクションが奏でるおだやかな春をご堪能いただければ幸いです。
展覧会紹介動画
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