2021年度教室受講生の募集

上原美術館では2021 年4 月からの教室開催にあたり、以下の受講生を募集します。

〇日本画教室
講師:牧野 伸英 先生(日本画家、日本美術院特待)
日時:毎月第2, 第4 火曜日 13:00~16:00 (3年間継続可)
*受講無料。ただし初期費用に約3 ~ 4 万円かかります

〇デッサン・水彩画教室講師:小野 憲一 先生(現代美術作家)
日時:毎月第2, 第4 水曜日 13:00 ~ 16:00 (3年間継続可)
*受講無料。ただし初期費用に約1 万円かかります

〇仏像彫刻教室
講師:岩松 拾文 先生・大谷 文進 先生(仏像彫刻家)
日時:毎月第3 日曜日 9:30~12:00/13:00~15:30 (8年間継続可)
*受講無料。ただし初期費用に約2 万5千円かかります

〇写経教室
講師:山田 修也 先生(書家、毎日書道展審査会員)
日時:毎月第2 日曜日 13:00 ~ 15:30 (5年間継続可)
*受講無料。ただし初期費用に約5千円かかります

〇仏教美術講座
講師:仏教館学芸員(交代) 定員 25 名
日時:毎月第2 日曜日 9:30 ~ 10:30 (2年連続講座)

各教室ともに
会  場 上原美術館 アトリエ( 予定) *ただし、仏教美術講座は近代館会議室
受 講 料 無料(ただし、用材や絵画教室写生会の入園料等は実費負担)
募集人数 若干名・仏教美術講座のみ定員25 名(いずれも応募多数の場合は抽選)
受講条件 全日程に参加できる方、ご自分で通える方(お1 人様1 教室のみ可)
応募方法 メール、または郵便はがきに①氏名 ②年齢 ③住所 ④電話番号 ⑤希望の教室 ⑥経験の有無
を明記の上、2021 年3 月10 日(必着)でご応募ください・美術館受付でも直接ご応募できます。
なお応募結果は3 月15 日頃、応募者全員に郵送でお知らせします。
お申し込み先 〒413-0715 静岡県下田市宇土金341 上原美術館「教室募集」係

e-mail: info@uehara-museum.or.jp
〒413-0715 静岡県下田市宇土金341 ℡.0558-28-1228
www.uehara-museum.or.jp
e-mail: info@uehara-museum.or.jp

静岡県博物館協会シンポジウム「これからのミュージアムを考えよう」

当館が加盟する静岡県博物館協会は11月3日(火・祝)、シンポジウム「これからのミュージアムを考えよう」を以下の通り、youtubeにてウェブ配信します。文化を取り巻く環境が大きく変化する時代に、文化財の第一線で活躍する研究者・専門家が集まり、これからのミュージアムを考えます。ぜひご覧ください。

静岡県博物館協会 2020 年度事業
シンポジウム「これからのミュージアムを考えよう」

~ミュージアムの目的が変わってきているの?どうなっていくの?
ミュージアムの来し方行く末について、ミュージアムを愛するすべての人々に向けて、ふじのくに静岡から問いかける!~

■開催概要
演 題: 「これからのミュージアムを考えよう」
日 時: 2020 年 11 月 3 日(火 ・祝[文化の日]) 13 時から 16 時(予定)
登壇者: 森 道彦氏(京都国立博物館研究員)
中野慎之氏(文化庁文化財第一課絵画部門文部科学技官)
木下直之氏(当協会会長・静岡県立美術館館長)
進 行: 川口幸也氏(前立教大学文学部学芸員課程教授)
司 会: 椿原靖弘氏(県博協事業推進グループ・フェルケール博物館学芸部長)
協 力: NOKIOO(動画配信)
対 象: 静岡県博物館協加盟館園の関係者および一般(ミュージアムを愛するすべての人々)
形 式: コロナ対策のため無観客 ・YouTube で生配信
※YouTube ライブ URL https://youtu.be/-4G8wBUHo4Y
※静岡県博物館協会チャンネル URL
https://www.youtube.com/channel/UC4yQRaScLlqE25uT8gsmfQA
※協会ホームページ「 しずはく.net」(https://www.shizuhaku.net/)で配信 URL を公開、生配信終了後も一定期間配信予定

■主旨
「ミュージアム冬の時代」と言われて久しい 中、昨今はそれに加えて「観光立国」、そして「文化の振興を、観光の振興と地域の活性化 」につなげるという国家戦略1に突き上げられ、「稼げないミュージアムに存在意義はあるのか?」と問われています。そこに更に加えてこのコロナ禍で、ミュージアムも「新しい生活様式」の下でウィズコロナ時代を生き延びなければならない事態を迎えてしまいました。そこで、静岡県内のミュージアムで構成される静岡県博物館協会では、 これまでのミュージアムと文化財保護の来し方を振り返りながら、今後の行 く末を生き抜くための方策を見定める一助としたく、講演会を企画しました。

■見所
・第一線でミュージアムと 文化財保護行政に関わる講師による基調講演とパネルディスカッション制度や理念、関連する法律などの変遷を 紹介し、事例の紹介を交えながら 、ミュージアムをとりまく現状と課題を明らかにします。パネルディスカッションでは、これからのミュージアムのあるべき姿について、各講師の意見をうかがいます。

・協会初の YouTube での配信、シンポジウム用の公式 Twitter も開設ウィズコロナの時代に対応するため、私たち協会もこれまでの アナログな手法を見直し、デジタルによる発信を始めます。協会の加盟館職員だけでなく、どなたでもご覧いただくことができます。

・視聴者からの質問を受け付け
ライブ配信の基調講演中に、視聴者の皆様からの質問をチャット機能により受け付けます(投稿するためには、投稿者の YouTube アカウントが必要です)。それらの一部をパネルディスカッションで紹介し、パネリストがお答えします。

■当日の次第
≪開会≫ 13:00

≪基調講演≫
◎講演1  ― 13:10~13:40(30分)
「文化財保護と博物館・展覧会 ―近現代の京都を事例として」
森道彦氏(京都国立博物館研究員)

◎講演2 - 13:40~14:10(30分)
「学芸員と所有者・制度・専門家─京都府下の事例から 」
中野慎之氏(文化庁文化財第一課絵画部門 文部科学技官・前京都府教育委員会文化財保護課)

◎講演3 -  14:10~14:40(30分)
「博物館と美術館、それぞれの文化財保護」
木下直之氏(静岡県博物館協会会長・静岡県立美術館館長)
※質問締め切り14:40

≪休憩≫ 14:40~15:00(20分)

≪パネルディスカッション≫
15:00~16:00(60分)
「これからのミュージアムを考えよう」
司会・座長 川口幸也氏(前立教大学文学部学芸員課程教授)
パネリスト 木下直之氏・森道彦氏・中野慎之氏

≪閉会≫ 16:00

■静岡県博物館協会について
当協会は、博物館活動の充実発展をはかり、互いに情報交換し、協力して社会教育の健全な推進と文化の向上に寄与することを目的とし、昭和 44 年 6 月 27 日に発足しました。静岡県内の博物館やその類似施設の館や園、および賛助会員とから構成されています。公開講座、研修会など幅広い活動を行っています。
URL:https://www.shizuhaku.net/(しずはく.net)

 

以上

 

地蔵菩薩像

動画による作品解説

地蔵菩薩像
安土桃山時代(天正20年/1592) 加賀宗圓 作
一木割矧ぎ造り・玉眼・漆箔
土沢地蔵堂(熱海市伊豆山土沢) 熱海市指定文化財

熱海の北東、日金山中腹にある土沢地蔵堂の本尊です。『地蔵菩薩霊験記』によると、熱海は「炎熱地獄の小端」であり、日金山は亡者を救済する地蔵の住処とされていました。本像の年代には諸説ありましたが、当館の調査で見出された木札解読により、天正18年(1590)豊臣秀吉によって焼かれた後、鎌倉大仏所の加賀宗圓が復興造像したものと判明しました。木札には供養の際に「さとう(茶頭)」による茶会が催されたらしいことなど興味深い記事があり、今後の研究が期待されます。

毘沙門天像

動画による作品解説

毘沙門天像
南北朝時代(14世紀) 木造・玉眼・彩色
個人蔵(伊東市宇佐美) 伊東市指定文化財

伊東市宇佐美の旧家、濱崎家に伝わる毘沙門天像です。関ヶ原の合戦で敗北した石田三成に属した濱崎家の祖先が、逃れる際、持参したという伝承があります。
構造は前後二材を寄せてつくる寄木造りで、両腕以下を別に造って寄せています。頭部は襟際で一度割り離して玉眼を入れ、両足も胴体から一度割り離して仕上げる割足です。迫力ある面貌、力強い体躯などから14世紀の像と考えられ、像内に寛政4年(1792)年、血液で書写した経典が納められています。

菩薩像

動画による作品解説

菩薩像
平安時代(10世紀) 木造・彫眼・素地
河津平安の仏像展示館/南禅寺(河津町谷津)静岡県指定文化財

南禅寺の平安仏群の一体です。両腕や垂下する天衣までを含む像全体をカヤの一材でつくる一木造りで、干割れを防ぐ内刳りもありません。引き締まった肉身、腰前の鎬が立った衣文、足元の大波小波が打ち寄せるような翻波式衣文は古風で、一木造りの技法とあわせ考えると、10世紀の像と思われます。9世紀後半から10世紀は、伊豆諸島の火山活動が活発化していいました。南禅寺仏像群は、この災厄を鎮静化する目的で中央政府によって制作された可能性があります。

菩薩像

動画による作品解説

菩薩像
平安時代(12世紀) 木造・彫眼・素地
河津平安の仏像展示館/南禅寺(河津町谷津)河津町指定文化財

河津町谷津の南禅寺(なぜんじ)には、26体の平安仏と23点の仏像断片が伝えられています。本像はそのうちの一体で、山津波で被災した姿ながら、頭上の髻と、上半身裸形で天衣をまとう姿から菩薩の像とわかります。内部に大きな空洞があり、各所に節があるなど、明らかに質の悪い材を用いており、細身で大きく湾曲した体、小さな頭に不釣り合いな太い首などは材の形に制約された造形で、霹靂木(へきれきぼく:落雷した木)などの特別な霊木を用いた像と考えられます。

薬師如来像

動画による作品解説

薬師如来像
平安時代(10世紀) 木造・彫眼・漆箔
観音寺(下田市須崎) 下田市指定文化財

かつて厳重な秘仏として、30年に一度だけ開帳された霊像です。頭体を一材でつくる一木造りで、別造の両手や脚部を寄せていますが、台座と表面の金も含め、江戸時代に補われたものに代わっています。
奥行きのある体躯は量感に満ち、腹前の衣文には、大波小波が交互に打ち寄せるような翻波式衣文の名残が認められることから、10世紀の像と考えられます。頭髪と肉髻の境が不明瞭で、帽子をかぶるように見えるのもこの時期の特徴。下田市内最古の像の一体です。

特別展『知られざる伊豆の仏教美術』が開幕しました

10月10日より、特別展『知られざる伊豆の仏教美術』、企画展『四季の情景』が開幕しました。
仏教館では、堂外初公開となる地蔵菩薩像(熱海市指定文化財)、毘沙門天像(伊東市指定文化財)など、通常みることのできない仏像が一同に展示されるほか、伊豆に伝わる涅槃図5点を展示いたします。
近代館では、新収蔵初公開となる鏑木清方≪十一月の雨≫をはじめ、横山大観、竹内栖鳳、小倉遊亀など、日本画がにみる四季の情景をご紹介しております。

 

上原美術館