藤島武二
朝熊山より鳥羽の日の出
1930(昭和5)年 油彩・カンヴァス 32.6×45.6cm
本作には、三重県伊勢市にある初日の出の名所、朝熊山から望む日の出の光景が麗しく画面に広がっています。藤島が「日の出る前の空の色の美しさ」に感嘆し、「水平線に出來るだけ近い、新しい赤い太陽」が見事に描きあらわされています。
1920年代後半、皇太后府からの依頼をきっかけに、日の出(旭)を求めて日本各地を巡り、さらには台湾やモンゴルにまで及んで取材を重ねました。本作もそうした探求の旅のなかで生み出された一点です。