アンドレ・ドラン André Derain
裸婦 Nu assis
1929年 油彩・カンヴァス 34.0×21.0cm
本作はコレクター上原昭二氏が初めて手に入れた油彩画です。当初、そのよさがわからなかったものの、信頼する画商の薦めもあり、この作品を購入したといいます。上原はこの作品を眺めるうちに徐々に魅せられ、のちには「足長お嬢さん」の愛称で親しむようになりました。
購入当初、実家で暮らしていた上原は「買ってから3年間も分不相応なことをしたと怒られるのが怖くて、父に見られないよう押し入れに隠していました」。この作品を初めて部屋に飾ったのは、自分の家を持ったときだったといいます。上原近代美術館のコレクションのはじまりを象徴する作品です。