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【近代館】あわいひかり やわらかないろ 【仏教館】ちいさきものは みなうつくし

【近代館】あわいひかり やわらかないろ 【仏教館】ちいさきものは みなうつくし

【近代館】あわいひかり やわらかないろ
【仏教館】ちいさきものは みなうつくし

開催期間: 2025年1月25日(土)~4月13日(日)
開館時間: 9:30~16:30(入館は16:00まで)
休館日 : 展覧会会期中は無休
入館料 : 大人1,000円/学生500円/高校生以下無料
※仏教館・近代館の共通券です
※団体10名以上10%割引
※障がい者手帳をお持ちの方は半額
会場  : 上原美術館 近代館・仏教館

【仏教館】ちいさきものは みなうつくし

弘法大師の生涯を描いた絵巻物の断簡。ふっくらとした体にすっと天地を指す誕生仏。塔の中にみほとけの言葉が書かれたお経の一部。小さいながらも、大切に伝えられてきた作品は今も数多く遺されています。本展では、新収蔵・初公開となる《高野大師行状図画断簡》(紙本著色・鎌倉~南北朝時代)を中心に、上原コレクションから小さくも愛らしい仏教美術をご紹介します。

《高野大師行状図画断簡》は、真言宗の祖、弘法大師・空海の生涯を伝える絵巻物の一部分です。二人の対面する僧侶が描かれた本作は、中国・唐に留学中の空海のエピソードが描かれています。留学した空海は、当時、密教の第一人者であり、多くの弟子を持つ恵果阿闍梨に師事しました。ある時、恵果の弟子、珍賀が空海を誹謗します。しかしその夜、珍賀の夢に四天王が現れ、空海を誹謗したことを責めたてたため、翌朝、慌てて謝罪をしました。画面には建物の中に座す空海、庭でひれ伏し謝る珍賀の姿が描かれています。切り取られた絵巻物の一片にはゆたかな物語が広がっています。

《誕生仏》(銅造・鎌倉時代)も本展で初公開となる作品です。釈迦が生まれた姿をうつしとった誕生仏は、ふっくらとした小さな体で天地を指さしています。20㎝に満たない大きさの像ですが、微笑する口からは今にも「天上天下唯我独尊」と言葉を発しそうです。

本展では、《一字宝塔法華経》(長寛元[一一六三]年)や《大日如来像》(文永七[一二七〇]年)などを小さいながら愛らしい作品を展示いたします。手元にそっと置いて、対面したくなるような仏教美術の数々をお楽しみください。

展覧会紹介動画

動画配置予定

【近代館】あわいひかり やわらかないろ

上原コレクションの特徴は、個人コレクション特有のやさしさ、穏やかさにあります。見ていてほっとするそれらの絵は、生活をやさしく彩ります。今回のコレクション名品選では、新たに収蔵した安井曽太郎《庭の雪》を中心に、あわい光とやわらかな色彩による絵画をご紹介します。

安井曽太郎《庭の雪》は、木々の間に冬の気配が広がる風景画です。あわい光は木々や地面に積もった雪に反射して、画面全体を穏やかに照らし出します。雪に落ちる影は、緑がかった灰色、ピンクがかった灰色など、やわらかな色彩によって複雑なニュアンスを生み出しています。緑や黄土色などの中間色はわずかに置かれた黒と対比されることで、雪の白を息づかせています。枝の間から空を見上げると、滲むような光が広がり、静かな画面に冬の冷たい空気が満ちるかのようです。安井が本作を描いたのは、フランスから帰国後の長いスランプを経て自らの様式を生み出した時代でした。色彩を並べ置いて空間を生み出すその構成はセザンヌを想起させますが、あわい光とやわらかな色彩には安井独自のレアリスムを感じさせます。

本展ではそのほか、都市の喧騒をやわらかな中間色で描き出すアルベール・マルケ《冬のパリ(ポン・ヌフ)》、川面にあたる光のニュアンスを色彩で捉えたクロード・モネ《ジヴェルニー付近のセーヌ川》、にぶい光の中に紅白の花が浮かび上がる須田国太郎《牡丹》など、あわい光とやわらかな色彩による絵画をご紹介します。穏やかでやさしい上原コレクションの魅力をどうぞお楽しみください。

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