仏教のお経(経典)は、お釈迦さまのことばとされ、仏教徒にとって特別なものでした。お経には特別な力があり、魔や災厄から私たちを救ってくれると考えられたのです。また仏教には仏の悟り(真理)そのものを仏の本体、本質とする考え方もあり、真理を解き明かすお経の語句、一文字一文字はそのまま仏そのものでもありました。そこで仏教徒はお経を書写するにあたって一字一字に心を込め、特別な紙を用い、あるいは金や銀の文字で飾りました。本展ではこうして生まれた珠玉の古写経を展示いたします。
また当館では、弘法大師(空海)の生涯を描いた「高野大師行状絵巻」の断簡を新収蔵いたしました。高野大師とは弘法大師(空海)のことです。唐で密教を学んだ弘法大師は、帰国に際して膨大な文物を日本に持ち帰りましたが、これらの品々はその後の日本仏教、日本の文化の発展に大きな影響を与えました。当館が所蔵した断簡には空海が収集した膨大な文物を遣唐使船から積み下ろす場面が描かれています。空海が持ち帰った文物の多くはほかならぬ経典や書物でした。日本に経典がもたらされる現場を描いた美しい絵画と美麗な古写経の数々をあわせてご覧ください。

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