本展では、洋の東西を問わず、絵や文字に込められた「祈りのかたち」をご紹介します。江戸時代に活躍した沼津出身の僧、白隠慧鶴は仏の教えを優しく解き明かし、広く人々に伝える手段として、その生涯に多くの絵や書を描きました。飄々とした作風は、昔も今も多くの人々を魅了しています。上原コレクションの《達磨図》は、ぎょろりとした目で上方をにらむ達磨を画面中央に大きく描き、禅の言葉「見性成仏」が書き添えられています。墨のみで表現された世界は、禅の境地を伝えるようです。

また仏の教えを伝える経典は文字ひとつひとつに、祈りを込めて書写されました。《中阿含経》(奈良時代・8世紀)は細身の文字が謹厳な書体であらわされた優品です。一巻約9mの経典ですが、よどみのない筆致は最後まで途切れることがなく、緊張感が伝わってきます。
ほかにもルオーが描くキリスト像、仏教美術コレクションの顔ともいえる十一面観音像や、阿弥陀如来像も展示いたします。さまざまな文字やかたちに込められた「祈りのかたち」をお楽しみください。

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