【近代館】上原コレクション名品選 雨をたのしむ

「雨」と一口に言っても、季節や時間、降水量や風の強弱といった違いで、恵みの雨になることもあれば、人々の生活を脅かすような暴雨になることもあります。古くから我々はさまざまな表情を見せる雨の変化に注視して生活してきました。一方で、雨が見せるさまざまな表情は、多くの画家たちが魅せられた題材でもあります。

本展覧会では、上原美術館が所蔵する日本画家・鏑木清方を中心に日本画から油彩画まで、雨が描かれた上原コレクションを厳選してご紹介します。

鏑木清方は「雨ならばたいていの人はきらひな五月雨にも、秋ふる長雨にも、とりどりに詩情をさそはれ、畫心をよぶ」といい、多くの雨の情景を描きました。清方が18歳のときに描いた《初冬の雨》(新収蔵・当館初公開)は、雨に濡れる下町の情景が生き生きと表現されています。同じく、新収蔵された《木母寺夜雨》は、傘をさした二人の女性の歩む姿が描かれています。提灯に照らされた女性たち以外は、闇夜にしとしとと雨が降るようすを情緒豊かに墨で表現しています。

そのほか、雨にかすむ光景を彩り豊かな色彩であらわしたピエール·ボナール《雨降りのル·カネ風景》、雨に濡れる大輪の牡丹を描いた松林桂月《牡丹》、雨あがりの情景が幻想的な牛島憲之《雨明かる》などを紹介します。

これらの作品は、雨に濡れるからこそ一層美しく輝き、雨だからこそみられる情景が捉えられています。上原コレクションより雨にまつわる絵画の魅力をお楽しみください。

展覧会紹介動画