動画による作品解説
安井曽太郎
十和田湖
1932(昭和7)年 油彩・カンヴァス 63.8×79.5cm
1932(昭和7)年7月、安井は国立公園協会の依頼により十和田湖を訪れました。「この邊は7月になっていてもまだ寒い位で、緑も新緑の様な美しさであった」とその印象を述べています。風になびく青々とした木々と紫にかすむ遠くの山の対比は、初夏の清々しい大気を感じさせるかのようです。湖畔にあふれる豊かな自然を勢いよく捉えた画面からは、安井独特のリアリズムが感じられます。それはまるで見るものに、新緑の十和田湖を吹き抜ける風を追体験させるかのようです。